2025年振り返り – 2回の転職にカンファレンスリブートなど
気がつけばあと5時間くらいですね。「あれもいる、これは買い忘れた」なんてことを言っていたら、年末は掃除と買い出し三昧だった気がします。
レイオフからはじまった2025年
いろんな意味で2025年は節目の年になりました。なんといっても1月末にいきなりレイオフの通知が来ましたから。
Stripe is laying off 300 people, but says it still plans to hire in 2025
日本は解雇規制があるため、即日解雇ではなく協議の末3月末の会社都合による退職となりました。HR系の部署から急にMTGの招待が来て「これ・・・あかんヤツですよね?」と社内の人に相談したり、Generative Agents社の吉田慎吾さんに夜相談したりしていたのはいい思い出です。
「まぁ、なかなかない経験って考えるしかないよね」的なことを吉田さんに言われて、「それもそうか」となったのがなんとなく印象に残っています。
「社員じゃないからいいよね」でアクセスを踏んだ2025年
「なかなかない経験だし、それなら・・・」となってアクセルを踏んだ結果、Stripeの中の人にとってよくわからない存在になった気はしています。USの年次カンファレンス Stripe Sessions 2025には自腹で勝手に参加する、日本の年次カンファレンス Stripe Tour Tokyo 2025 ではしっかりコミュニティ枠で喋る時間を確保している。挙句はコロナ前の2019年以来となるユーザーカンファレンスの旗振り役(実行委員長)までやっている。

会社都合での退職という形にはなりましたが、中の人とは日米どちらも関係が悪くなったということはなく、USでDevRelチームメンバーと鉢合わせて写真を撮ったり、 Stripe Tour Tokyoでは Stripe Japanメンバーの集合写真になぜか巻き込まれて写り込んでいたりしています。

そんなわけで2026年もなんやかんや Stripe に関する取り組みは継続していくと思います。作っては登録者ゼロの Stripe アカウントもそろそろなんとかしたいところ・・・
2回転職した2025年
きっかけはレイオフでしたが、2025年は4月と12月にそれぞれ新しいポジションにつきました。4月はStripe入社前にお世話になっていたDigitalCube社、12月からはCircleCI社にお世話になっています(いました)。
DigitalCubeへの転職は、「Stripeでの経験とかプロダクト知識を活かせて、リモートワークかつ給料の下がり幅が小さい会社」という視点で探した結果でした。なので入社後さっそく価格改訂の実装をやったり、営業向けの売上分析としてStripe Sigmaを使ったレポート自動化を組んだりなどをやりつつ、AIコーディングやMCPの利活用を進めていた感じです。唯一の誤算は、RSU絡みの試算が間違っていたことで、確定申告や住民税などが想定外の金額となり、それで転職を急いぐことになりました。。こちらは完全に自己都合ですので、DigitalCube社についても、Devinや Stripe Sigmaなどをガンガン触らせてもらったこともあり、感謝するばかりです。
CircleCI社では初のSales Engineer職として働いています。この辺りはプロダクトのユースケースや解決する課題などにフォーカスして喋る・書くことを意識していろいろ取り組んできていた延長線というイメージです。不特定多数に伝える役割から、特定の相手に対して伝える役割に移ったという認識なので、新しいポジションですが、考えることややるべきことが劇的に変化したという印象は今の所ありません。
とはいえ、12月の転職は年末調整ができないという問題を見落としていたので、この辺は反省です。そりゃまぁ間に合いませんよね。。
AIコーディングにハマった2025年
あと大きく変わったのは生成AIでしょうか。Stripe時代はドキュメントの検索や記事の原案作成、英文レビューくらいにしか使っていなかったのですが、今は「スマホだけでアプリは作れるのか」みたいな挑戦をやり出す程度には生成AIをぶん回してます。
今使っているのは Cursor / Claude / Devinと Code Rabbit 、それにGeminiとKiroです。固定課金で一定期間経てば利用枠が復活するタイプのサービスが、売上をあげていないプロダクトしかない個人開発者にとってはありがたいですね。そんなわけでClaude Codeをウェブから使いつつ、MCPやRulesなどを使いたい複雑なタスクはCursorのAutoモデルでやる。そんなスタイルが多めです。Composer-1は結構切り札ですね。
子どものお世話や家事もやりつつ、業務時間外で作業する必要がある関係上、PCの前にあまり長時間座れない問題をクリアする必要があります。なのでスマホから動かせる系のツールであることが活用動機として強くなりがちで、この辺りは世間一般の使い方とはちょっと違うかもしれません。 Claude Code Webが SkillsとかMCP対応してくれたらいいんですけどねぇ・・・。知らないだけだったらアレですが。
インプット・アウトプットは原点回帰気味
読む本はオライリー比率が増えてきました。「俺が考える〜」ではなく、「本来目指すべきことってこれですよね」的な話やコンテンツを作れるようになりたいというのが背景です。聴く側の気持ちになったら、「N=1」の「お前(もしくはその環境)だからできたんじゃね?」という話よりは、原理原則や名著とよばれるものもベースとして体系立ててアウトプットできるようになる必要があるかな・・・と感じ始めたことが大きいかもしれません。
まだまだ道なかばですが、今年最後のカンファレンスセッション登壇となったBacklog Worldのセッションでは、「前提の話を丁寧にしてくれたので、めちゃくちゃわかりやすかった」とフィードバックをもらえたので、すこしずつですが前には進んでいる気はしています。それはそれとして「コンテキスト設定部分を話し過ぎて、伝えたい部分を端折ってなかった?」とも指摘されていますが・・・
プレゼンや記事のスタイルは結構変えている最中なので、「あれ、あいつこういう話する感じだっけ?」と感じることがあるかもしれませんが、もうしばらくお付き合いいただければと思います。
2026年も変わらないものと不可避な流れを見定めて
個人的に好きな言葉が2つあります。1つはAmazonのジェフベゾスが語った「10年変わらないものと向き合おう」という話、もう1つがStripeでもお世話になった小島さんがかつて話されていた「不可避な流れに逆らわない」という話です。違う方向の話をしているようにもみえますが、「変わるものと変わらないものをちゃんと見定めて行動しよう」という捉え方を自分の中ではやっています。
コーディングやアプリ開発、果てはアウトプットの方法まで、2026年は変わるものが多い年になる気がします。ただ、その中でも変わらないもの、AI駆動開発がなんだかんだSDLC( Software Developement Life Cycle)をベースにした AI DLCなどの方向に向かっているように、変わるものと変わらないものをしっかり見定めていきたいなと思います。
そういう意味では、CircleCIのいる「CI / CD」、結構面白いところにいます。この辺はちゃんと発信できるようにしていきたいので、そういう意味でもこの休暇はkindle & Claudeと仲良くしたいところです。
来年もどうぞよろしくお願いします。
